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好き勝手のすすめ
── 幼なじみ二人、40代と50代から始める“自分の物語”

1. はじめに ― 「好き勝手」の意味を塗り替える
「好き勝手」という言葉には、少しネガティブな響きがあります。
わがまま、自己中心、周囲を顧みない行動。
けれど私たちが話す「好き勝手」はまったく違います。
それは、自分の心に忠実であること。そして、自分で選び、自分で責任を負う生き方のことです。

この話は、和歌山県田辺市南新町商店街で育った幼なじみ二人が、それぞれ40代と50代で独立し、再び交わって始めたプロジェクトについてです。

2. 商店街の中で育った二人
私と多屋光孫(たや みつひろ)さんは、同じ商店街で生まれ育ちました。
多屋さんの家は本屋、私の家は紳士服店。
両親は毎日忙しく働き、私たちにとって商店街は遊び場であり生活の舞台でした。

土日は特に両親が忙しかったため、近くの益山洋画研究所に通いました。
幼稚園から中学まで、週末はキャンバスと油絵の匂いに囲まれ、黙々と絵を描く時間。
あの静かな時間が、後に二人の創作の原点になったことは間違いありません。

3. 進路と別れ
多屋さんは私より1歳年上。
高校2年でアメリカへ留学し、帰国後は同じ学年になって田辺高校を同じ年に卒業しました。

その後は別々の道へ。

多屋光孫:大手メーカーで営業企画、マーケティング、製品ブランディング、海外輸出業務を経験。

私:百貨店で婦人服バイヤーとして国内外の市場を駆け巡る。

一見クリエイティブとは遠い業界に見えても、共通していたのは「人と商品をつなぐ」ことへの情熱でした。

4. 創作とキャリアの両立
多屋さんは会社員生活と並行して創作活動を続けていました。
どれだけ忙しくても、夜や休日に絵を描き、自分の物語を紡ぎ続けたのです。
その時間は収入には直結しなくても、心を豊かにし、夢を少しずつ現実へ近づけるものでした。

私もまた、ブランドを育てる仕事を続けながら、「自分のブランドを持ちたい」という想いを募らせていました。

5. 独立の決断
40代・50代での独立は、20代よりも何倍も勇気が必要です。
家族、住宅ローン、教育費、老後資金──守るべきものが多いからこそ、失敗は許されないという声が頭をよぎります。

多屋さんは48歳で独立を決断。
「このままでは夢が夢のままで終わってしまう」という焦りが、恐怖を上回った瞬間でした。

私は42歳で独立。
「人のブランドを育てるだけで終わるのか?」という自問が背中を押しました。

6. 独立後の10年
多屋さんは独立後、絵本作家として本格的に活動を開始。
10年間で20冊の絵本を出版し、銀座の画廊で個展や原画展を開催。
その作品世界は多くの人を魅了し、今や“注目の作家”として全国に名を知られています。

私はブランド教育やプロデュースを軸に活動し、AIを活用した創造支援や若者への講義など、新しい挑戦を続けています。

7. 幼なじみ再び
再び交わったのは、お互い独立してから。
近況を話すうち、「一緒にやってみよう」という自然な流れになりました。
そして生まれたのが、「好き勝手」Tシャツです。

「好き勝手」を着ることは、自分への宣言であり、周囲へのメッセージ。
幼なじみだからこそ生まれるアイデアとやり取りが、この形を生みました。

8. 好き勝手に生きるための3つの力
選ぶ力:やらないことを決め、自分の軸を守る力。

発信する力:SNSやイベントで自分を知ってもらう力。

稼ぐ力:継続のために必要なお金を生み出す力。

9. あなたへのメッセージ
嫌いなことから逃げるだけが独立じゃない。好きなことに向かうために独立してもいい。

完璧な準備なんてできない。動きながら整えていけばいい。

好き勝手はわがままではなく、責任ある自由だ。

10. エピローグ
南新町商店街の一角で育った二人が、40年以上の時を経て再び並び立つ。
子どもの頃に描いた絵のように、今はTシャツや絵本、ブランドという形で物語を描いている。

あなたも「好き勝手」を始めませんか?